高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

幼児の高額課金を防ぐ!保護者のスマホで設定したいこと

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国民生活センターによると、幼児の高額課金トラブルが増えています。

スマホゲームにおけるトラブルのうち、9歳以下の子によるクレジットカード決済が増えているのです。中には4歳の子による課金トラブルもあります。

 

この年代のスマホゲーム課金は、当然保護者のスマホにおけるものです。

子どもたちは、課金の意味がわからず、タップしているうちに購入してしまうことが多いのです。

このようなトラブルを防ぐためには、スマホの設定を見直す必要があります。

 

 

設定変更:iPhoneの場合

 

デフォルトでは、一度パスワードを入力すると15分間はパスワード入力なしで購入できます。

つまり、保護者が購入直後、幼児が勝手にいじって購入してしまうケースが多いのです。

「設定」→「一般」→「機能制限」→「機能制限を設定」と選び、機能制限パスワードを入力。その後、「パスワードの設定」→「常に要求」とタップしてください。

これで、その都度パスワードを入力しなければ購入できなくなります。

なお、「パスワードを要求」をオンにしておくと、無料アプリも入手制限ができます。

 

 

設定変更:Androidの場合

 

Google Playストアアプリを起動し、「メニュー」→「設定」とタップ。

ユーザーコントロールで「パスワードを使用して購入を制限する」を選択。

「パスワードが必要」画面がポップアップで表示されるので、「この端末でのGoogle Playからのすべての購入」を選択しましょう。

これで、すべてのアプリ内課金の際にパスワードが必要となります。

 

 

子どもの高額課金、お金は取り戻せる?

 

幼児がスマホで使い込んだお金は取り戻せるのでしょうか。

民法では、以下の条件がそろった場合、未成年者の行った契約を取り消すことができるとなっています。

 

1:契約時の年齢が20歳未満で、婚姻の経験がない

2:法定代理人が同意していない(法定代理人=未成年者に対して親権を有するもの。多くは両親)

3:法定代理人から処分を許された財産(お小遣い)の範囲内でない

4:未成年者が詐術を用いていない(未成年者が自分を成年者と偽ったり、法定代理人の同意を得ていないのに得ていると偽る行為。相手に誤信させるために詐欺的手段を取ることであり、単に成年であると言ったり同意を得ていると言っただけでは詐術に当たらない)

 

返金するかしないかはゲーム会社によって異なります。

問い合わせ窓口に申し出たり、弁護士に相談してみると、取り返せる可能性があるかもしれません。

 

その他にも、子どもが勝手に端末をいじることにより、有害なサイトや違法サイトなどにたどり着いてしまうこともあります。

スマホ自体スクリーンロックをかけるようにしておくなど、勝手に使えない対策をしておくといいでしょう。

 

 

毎日新聞夕刊にコメントを寄せています

毎日新聞の2月9日夕刊「中高年のSNS注意点 友達が詐欺サイト誘導も」という記事でコメントさせていただきました。
10代だけでなく、中高年にも問題が起きています。

 

記事はこちらから読めます。

http://mainichi.jp/articles/20170209/dde/012/040/017000c

 

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子どもがネットデビューする前に「ネットでは書いてはいけない3つのこと」を知ろう

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ネットデビューさせる前に、子どもにはどのようなことを教えるべきなのでしょうか。
保護者が子どもに伝えたい「ネットに書いたり投稿してはいけないこと」をご紹介します。


悪口、他人を傷つけることは書かない

文字を中心にコミュニケーションを取ることは、大人でも難しいもの。
まして文章力がなく経験もない子どもにいきなり自由に使わせたら、問題が起きても当たり前です。
子どもは感情をストレートに表現します。
言葉もきついことが多く、そのまま使わせたらトラブルになる可能性が高いでしょう。

悪口、他人を傷つけること、誰かが不快に思う可能性があることは書かないように約束しましょう。
一度書いてしまったことは消えません。コピー、転送も容易です。
たとえLINEでも、キャプチャを撮ってさらされることもあります。

特に感情がからむこと、複雑なことは、LINEやTwitterでやりとりはせず、直接話すように勧めてください。
特に子どもたちはチャットのように素早いコミュニケーションをする傾向にありますが、考えずに送ると問題が起きることが増えます。
ネットでのやり取りは、相手の顔が見えず、相手がどのように感じたかがわかりません。
しかし対面ならば、相手の感情が分かり、その場で謝罪したりすることも可能だからです。


個人情報は公開しない

自分・友人の個人情報は公開しないことを約束させましょう。

個人情報とは、 氏名、住所、電話番号、生年月日、出身校・在籍校、勤務先、家族構成、顔写真、LINE ID、メールアドレスなどを指します。
特に子どもたちは、名前や学校名、生年月日、顔写真などは気軽に公開する傾向にあるので、注意してください。

個人情報を公開しすぎてしまうと、ストーカー被害に遭ったり、空き巣被害に遭った例もあります。
友人の個人情報も勝手に漏らすと迷惑がかかるので、くれぐれも漏らさないように伝えてください。


不利益を被る可能性があることは書かない

自分が不利益を被る可能性があることを公開してはいけません。
たとえば、裸の写真や犯罪を示唆する写真、モラルから外れた行為などの告白です。
そのようなことを公開すると、炎上につながったり、退学処分や内定取り消しなどにつながることもあります。


一度そのような情報を個人情報とセットで掴まれてしまうと、将来にも大きな影響が出る可能性があります。


いきなりネットデビューさせないことが大切

デビュー前には、子どもたちのインターネット利用について考える研究会の「オンラインコミュニケーションの能力全図」を活用しましょう。
スキル、知識、倫理の3点においてすべてできるようになったら次の段階にいくという方法です。
具体的には、サイト閲覧だけでコミュニケーション禁止、家族の間に限った発信を認める、顔を知っている友人への発信を認める、顔を知らない相手への発信を認めるという段階を踏んでいきます。

 


不利益なことが書かれたら諦めず削除要請を

ネットデビューして既に問題のあることを書いてしまっている、或いは転載などをされてしまった場合はどうすればいいのでしょうか。

まず、自分の子どもが書いている場合は、子どもに削除させてください。
書いた人が別の人で誰か分かっている場合は、その人に削除を依頼をしましょう。

書いた人がわからない場合は、掲示板やサイトの管理者に削除を依頼してください。
削除対応してくれない場合は、「プロバイダ制限責任法」に則り、掲示板やサイトのプロバイダーに削除依頼をするといいでしょう。

なお、削除依頼する際には、書き込みをキャプチャまたはプリントアウトなどで保存した上で、URLを記録します。
掲載されているURL、掲載されている情報、侵害された権利、削除依頼の理由などをまとめて、管理者などに送信してください。
それでも対応してくれない場合は、法務局、地方法務局、警察署などに相談するのもお勧めです。
依頼の方法は、こちらが参考になります。

www.soumu.metro.tokyo.jp

 

 

LINEを安全に使うためのプライバシー設定を再確認!

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ASCII.jpで、「解決方法を教えます!LINE駆け込み寺」という連載をしています。

LINEでも毎回更新情報が配信されている他、「週刊アスキー電子版」にも転載されています。

今回は、安全に使うためのLINE設定方法がわかる記事を厳選してご紹介します。特に、子どもが利用する際には必ず設定しておくのがお勧めです。

記事はキャプチャ画像で手順がすべて掲載されているので、わかりやすいですよ。

 

 

登録時、アドレス帳は同期しないこと

 

まず、登録時にアドレス帳を同期しないでアカウント登録しましょう。

アドレス帳を同期させてしまうと、本当はLINEではつながりたくない会社の上司や同僚などともつながってしまいます。そればかりか、あなたの携帯電話番号の前の持ち主の友人(見知らぬ人!)などとつながってしまうことも。

友達は、「ふるふる」や「QRコード」などで手動で追加していくのがお勧めです。

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知らない人が「知り合いかも?」に表示されたら

 

こちらもよくありがちな設定ミス。

「知り合いかも?」に表示されている時点で、相手側では自分は友達登録されています…

今すぐ、「友だち追加」「友だち追加を許可」「IDで友だち追加を許可」をオフにしておきましょう。

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安全なLINEのプライバシー設定とは

 

LINEを安全に使うためには、

 

「パスコードロック」:LINEアプリをロックできます。他人にLINEを勝手に覗き見られることがなくなります。

「IDで友だち追加を許可」をオフ:IDが単純だと知らない人に友だち追加されるリスクがあるので、普段はオフにしておき、必要なときのみオンにするのがお勧め。

「メッセージ受信拒否」をオン:知らない人からのスパムや出会い系メッセージなどが拒否できます。

QRコードを更新」QRコードが流出すると知らない人に友だち追加されてしまいます。使う度に更新しておくことでリスクが抑えられます。

 

の4つは必ず設定しておくと安心です。

 

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乗っ取られないためには推測されづらいパスワードに変更を

 

アカウント乗っ取り被害に遭ったという話はよく聞きます。

被害を防ぐためには、パスワード変更、他の端末からログインできない設定が有効です。

ぜひ以下の記事を参考に設定してみてください。

 

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ロック中にトークを覗き見られないために

 

ロック中の画面でトークを覗き見られることがあります。

そのような人はこの設定がお勧めです。

ascii.jp

 

今後も使える情報を記事として公開していきますので、ぜひ参考にして安全にLINEライフを楽しんでいただけると嬉しいです!

 

 

ライフハッカーに寄稿しました

ライフハッカーで「初めて子どもにスマホを渡すときに注意したい3つのルール」について書きました。
フィルタリングサービスソーシャルメディア(個人情報・炎上)、データ通信の使い方がポイントです。家庭で作るルールの例など、特に参考になるかもしれません。

実はPR記事ですが、大切なことを網羅しているのでぜひ参考にしてみてください。

 

www.lifehacker.jp

10代がパクツイをする理由とパクリの見分け方

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パクツイとリツイートの違い

「パクツイ」というものをご存知でしょうか。
パクツイとは、他人のツイートをコピーして自分のものとしてツイートすることです。

Twitterの元々の機能には「リツイート」というものがあります。
リツイートは元のツイート主が分かる状態でツイートすることですが、パクツイは自分のものとしてツイートする点が異なります。


パクツイの見つけ方とは

Twitterを見ていると、人気でたくさんのリツイートを集めているツイートがあります。
そのようなツイートを検索すると、リツイートではないまったく同じツイートが多数見つかります。
これがパクツイです。

リアルタイム検索で文章で検索すると結果が時系列順で並ぶので、どのツイートが最初のものかがわかります。
基本的にこの一番古いツイートが元ツイートと考えられます。
それ以降にツイートされたものはパクツイと考えられます。

「おいでよパクツイの森」というサービスがあります。
パクられた元ツイートとパクリツイート、パクられた数がわかるサービスです。
私が調べたところ「パクラレ」ツイート自体がパクリツイートだったことがあり、そのツイートがパクられていることは間違いないものの、完全な元ツ イートというわけではないようです。
なお執筆現在、本日パクられたツイート数は400以上、パクリツイート数は9000以上もなります。
http://pakumori.net/


リツイート、フォロワーがほしい10代

10代の子たちによるパクツイは非常にたくさん見かけます。
悪いとも思わず、著作権意識もなくパクツイしている場合が多いようです。

彼らがパクツイする理由は、リツイートされたり、フォロワーを増やしたいからです。
自分のオリジナルツイートをするよりも、既にある程度リツイートされた実績のあるツイートをパクってパクツイする方が簡単です。
また、パクツイの多くは非難こそされ、処罰されるわけではありません。
周囲のユーザーもパクツイしていることが多いので、安易にパクツイしてしまうというわけです。

ところで、パクツイはなぜいけないことなのでしょうか。
ツイートには著作権があるため、侵害行為に当たるからです。
また、本来は元のツイート主が得られるはずの承認を奪う行為となるからです。
パクツイをする度にフォロワーを増やし、元ツイートより多くのリツイートを得ているアカウントもあります。

大々的にパクツイしていた有名アカウントもあります。
たとえば「Copy writing」(@Copy_writing)は、パクツイや無断転載をするアカウントにも関わらず、「青春基地」という学生メディアからインタビュー を受けたことで炎上してしまいました。
パクツイをして人を集め、利益を得ていたと言われています。
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1601/31/news022.html

10代は全般的に著作権意識に乏しい子が多いのですが、そのまま社会人になると問題です。
何が問題なのかを早い段階で教える必要があるのではないでしょうか。

 

 

子供にケータイ・スマホはいつから持たせればいいのか?

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保護者向けにスマホSNSの安全利用をテーマにした講演を行っています。
特に小学生の保護者を対象とした時に聞かれる質問が、
「子供にケータイ・スマホはいつから持たせればいいのか?」
というものです。

ケータイ・スマホを持つことによって巻き込まれるトラブルが気になるからこそ、このような質問が出るのです。
ケータイ・スマホを持つと様々な心配が出てくる上、端末料金・月額料金もかかるようになり、保護者にとっては頭が痛い問題です。


「ねだられて仕方なく」が多い

持たせている家庭では、
「いざという時に連絡が取れるように(子供の居場所がわかるように)」
「子供にねだられて仕方なく」
などの場合が多いようです。
部活などの連絡で必要となり仕方なく…というご家庭もあります。

さすがに小学生からスマホを持つ例は、それほど多くはありません。
「ねだられて仕方なく」の場合は、中学進学に合わせて購入する例が非常に多く見られます。
しかし、中学生はいじめが一番頻発する時期であり、学校の先生に聞いても口を揃えて「中学校では色々な問題が起きています」と答えます。
ねだられたからと言って安易に持たせてしまうのは考えものです。


大切なのは「必要か否か」

私がお勧めしているのは、子供にとって「必要か否か」で判断するということです。
子供からどうしてもほしいと言われた場合、「必要な理由」と「どのように使うか」についてプレゼンさせましょう。

確かに必要と納得する理由があったら、購入すべき時でしょう。
逆に、その点に関して保護者が納得いくようなプレゼンができなければ、まだ時期尚早です。

子供も知恵をひねってくるはずです。
保護者の了承を得たいために、自ら端末を使う時間や頻度、使い方などを提案してくる可能性が高いでしょう。
「利用は一日一時間まで」
「夜9時以降は使わない」
「課金はしない」
「食事中や学校では使わない」
などなど。
子供から出てきたこのような使い方を、使う前に約束事として取り付けます。
「端末はママのだから、約束を守れなかったら返してもらうね」
など、約束を守れない場合の決まり事も作っておくといいでしょう。

端末を利用する際のルールや約束事は、必ず使う前に決める必要があります。
いったん自由に使い始めてしまった後でルールを決めようとしても、多くの場合は無駄に終わります。
また、利用開始時に、年齢や発達段階に応じたフィルタリングサービスを利用するのがお勧めです。キャリアで無料で用意されています。

子供に端末を持たせる際の参考にしてください。

持ち始めてからが本番です。

子供が危険に巻き込まれないよう、フィルタリングサービスやルールなどを活用し、普段から危険や安全利用について話し合うようにしてください。