高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

産経新聞で子どもへのスマホの持たせ方をアドバイス

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昨日の産経新聞朝刊「ひとごとではないスマホ被害 あなたは子供をどう守る?」というDocomoの広告記事で、子供への安全なスマホの持たせ方についてアドバイスしました。
ほぼ全面記事で、思ったより大きくてびっくりです…

中高生が合格・進学シーズンにTwitterやインスタでしていること

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合格発表が終わり、進学・進級に備えるシーズンです。

この時期中高生たちがTwitterInstagramなどでしていることを解説しましょう。

 

まず、受験本番を迎える1月2月頃には、「#合格通知」などのハッシュタグ付きで、TwitterInstagramで合格したことをフォロワーなどに報告する投稿が相次ぎます。初期は推薦入試、後期は一般入試の結果が並びます。

SNSは写真付きで投稿」が染み付いているためか、ほとんどの場合が写真付きで投稿されます。

 

「合格通知書写真をSNSで公開すると学校によっては合格取り消しになる」

という話がありましたが、もちろんデマです。

「合格通知書は個人情報の宝庫なので公開には注意して」と注意喚起している大学もあるくらいです。

見ると、一切モザイクなどもかけず、本名や学校名などが丸々写っているものもたくさんあります。

年齢、名前、学校などが分かってしまい、リスクが高くなるので注意が必要です。

 

合格後は、進学する学校で友達を作るために活動を始めます。

大抵は、進学する高校や大学専用の「高校垢」「大学垢」を作ります。

そして、「春から◯大」「◯◯大」「合格発表」などの名前やハッシュタグをつけて、進学先の高校や大学の友だちを募集します。

プロフィールに「春から◯大」などと書いている子もいます。

 

LINEの友だち追加QRコードを固定ツイートにしている子もたくさんいます。

「春から◯大です!よろしくお願いします!」

「こちらこそよろしく!」

などのやりとりでTwitterでつながっていきます。

同時に、同じ進学先の子たちを追加した数百名参加するLINEグループが作られます。

 正体を騙っているユーザーもいるはずですが、全く気にせずに彼らはどんどんつながっていきます。

 

非常にリスキーに思えますが、この時のつながりはとても大切なようです。

中には、入学式前にオフ会的に実際に会っている子たちもいます。

進学してすぐに、

「いつもTwitterではどうも」

などとSNSのつながりで友達が作られていくのです。

SNSで事前に情報を得ているので、自分が合いそうな人たちが分かり、つながりやすくなっているのです。

地方から出てくる子などは、情報が得られてメリットが大きいようです。

 

事前につながることはメリットもありますが、個人情報などの観点から非常に危険も大きいので、注意が必要です。

 

 

SNS時代のデマに騙されないリテラシーの身につけ方

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米国の大統領選で候補者の偽ニュースがFacebookで拡散され、選挙結果に影響を与えたと言われています。

また、DeNAの「WELQ」や「MERY」などで、SEO対策をしただけのいい加減な情報が検索上位に表示されていました。

このような事態が続いて、今は偽ニュースやデマに騙されないリテラシーを身につけることに注目が集まっています。

大手メディアでもいい加減な情報が掲載されていることがあり、インターネットで調べ物をするのが怖くなった人は多いでしょう。

 

しかし、これは今に始まったことでありません。

インターネットだけで正しい結果にたどり着くことは正直現時点では至難の業です。

Wikipediaなどのサイトは便利ですが、正しい情報ばかりではなく、いい加減なことが多いことはよく知られています。

 

入念なSEO対策さえすれば、検索結果も汚染できることがわかりました。

 

元々検索エンジンは、自社の考えるアルゴリズムにより、有用性が高いと思われる記事を上位に表示しているだけで、正確性は保証されていません。

 

 

基本的には、検索した場合は、情報元が信頼できるかどうかで情報の真贋を判断するのがいいでしょう。

かつて、「省庁などの公的機関の情報のみ無条件に信じていい。少なくとも国が保証している情報だから」と言われました。

「go.jp」と検索したいことをand検索すると、公的機関が出している情報にたどり着けます。

 

また、新聞社などの大手メディアの情報も、たまに誤報もありますが基本的には信用していいと考えます。

取材をしているはずですし、少なくとも「大手メディアが言っていた」とは言えるので、信憑性がかなり高くなります。

メディアによってはいい加減な情報しか載せていないところもあるので、メディアの見極めも大切です。

 

また、複数の情報元に当たることも大切です。

SNS上でソースが一つしかなかったら、眉唾の可能性が高くなります。

ただし一つのデマ情報を複数のまとめサイトが掲載しているなどの場合は、まったく当てにはなりません。

複数のメディア或いは人物などが違う言葉で同じことを言っていたら、事実の可能性が高くなります。

 

しかし、最終的にはあくまでインターネットで得られる情報は参考程度にしておいた方がいいかもしれません。

特に病気を見極めるなどは専門家に任せるべきで、素人が判断できることではありません。

 

 

特に若い子たちは、正しい情報を見極められていないという調査結果があります。

大人でもデマに騙されているので仕方ないことですが、これがデマ拡散に拍車をかけています。

SNS時代には、多くの人が言っているからといって正しいと言えないことが多いので、特に注意が必要です。

情報を見極められる情報リテラシーを身につけられるよう、見守ってあげたいところです。

 

NHK「オトナへノベル」書籍でアドバイスコラムを寄稿しています

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番組監修し、篠田麻里子さんや清水富美加さんと共演もしたNHK「オトナヘノベル」が書籍化しました!

実は、ドラマは小説化されており、ホームページで読めたのです。

私も監修した話、4話分にアドバイスコラムを寄せています。
参考になる話ばかりなので、ぜひご覧ください!

 

なぜMixChannel、インスタから有名人が生まれるのか?

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「MixChannelは一時ほど若い子に見られていない」と言われます。

(なお、執筆現在550万人が使っており、月間訪問者数400万人、月間動画再生数は5.5億回に上るそうです→公式サイト

MixChannelが特別なのは、とにかく女子中高生がたくさん使っていることです。

初期ユーザーがそのまま年齢が上がったようなところがありますが、やはり女子中高生がほとんどなのには変わりありません。

 

 

ミクチャから著名人が生まれる理由

 

面白いのは、「一時ほど見られていない」と言いながら、”ミクチャ有名人”は次々と生まれていることです。

たとえば、「MixChannel有名人」についてのサイトまであります。

大人が見てもほとんどわからないかもしれませんが、彼や彼女たちには熱狂的なファンが多数ついており、Twitterなどでも大人気なのです。

実際に、MixChannel発で歌手デビューした「まこみな」を始め、りかりこ、渡辺リサなど、雑誌やテレビなどに活躍の場を広げているユーザーは多数います。

 

SNSは、元々本人と直接交流ができる場です。

手が届くロールモデル、自分たち発の仲間と感じやすい構造になっています。

 

さらに「動画」は、10代において人気が獲得しやすい場です。

YouTubeVineニコニコ生放送、LINE LIVEなど、動画は本人がそのまま登場します。

受け身でもわかりやすく、テレビタレントを好きになるのと同じように、その人の魅力が理解しやすいのです。

それが今はMixChannelであり、次が生まれていない状態なのではないかと考えています。

 

 

インスタ有名人が生まれる理由

 

同様な状態となっているのが、Instagramです。

Instagramが特別なのは、10、20代女子が多く利用していることです。

やはりインスタ有名人は多数おり、MEGBABYやMappyなど、多くの著名インスタグラマーがテレビや雑誌などに登場しています。

今、若い子向け雑誌を見ると、必ずInstagramコーナー、或いはインスタグラマーコーナーがあります。

自撮り写真を可愛く撮るための特集や付録なども数多く見かけます。

 

Instagramでは、自己演出がうまいかどうか、自分をどのように見せているかが問われます。

10代の子たちは始終SNSに囲まれて他人の目を意識しながら暮らしており、自分を演出しなければならないので、彼女たちがロールモデルとなります。

若い子たちは参考にしたいユーザーを追いかけるため、結果的に自己演出がうまいユーザーが有名となるのでしょう。

 

なお、雑誌やテレビ側は、最早MixChannelやInstagramを敵視してはいません。

 

そちらから如何に雑誌やテレビなどにユーザーを呼び込むかが大切であり、そのために利用する段階となっています。

雑誌やテレビなどを見ると、メディア側の試行錯誤が見えて興味深いです。 

 

 

ストーカー規制法改正と被害に遭わないSNSの使い方

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1月に、ストーカー規制法が改正されました。

それにより、SNSのつきまといも新たに規制対象となりました。

 

 

SNSでのつきまとい行為も規制対象に

 

改正前は、現実のつきまとい行為、電話、メールやFAXをしつこく送ることのみが規制対象でした。

ところが、現実は若者間で、電話、ましてやFAXなどはまず使われていません。

コミュニケーションの中心は、言うまでもなくSNS

当然トラブルもSNS上で起こっているのに、法が追いついていなかったのです。

 

2016年5月に小金井市でミュージシャンの女性がファンにしつこくTwitterで付きまとわれた挙句、刺された事件がありました。

最近、被告の懲役は立川地裁により14年6月と言い渡されました。

この事件が、改正のきっかけとなっています。

 

元々、ストーカー規制法自体も1999年に起きた桶川ストーカー殺人事件をきっかけに制定されています。

子どものネット利用安全対策もそうですが、現実に法が追いついていかないと、被害は広がるだけです。

このようなひどいことが起きる前に、改正してほしかったと心から思います。

 

 

法が改正された意味は大きい

 

なお、法が改正される意味はとても大きいものです。

これまではSNSでしつこくするだけでは警察が動きづらかったのですが、動きやすくなります。

 

また、被害者が告訴しなくても起訴できる非親告罪になったことも大きいでしょう。

これまで、被害者は加害者の報復を恐れて告訴できないということがありました。

ところが、これで簡単に罪に問えるようになったのです。

 

また、緊急の場合は事前の警告なしに都道府県の公安委員会が加害者に禁止命令が出せるようになりました。

被害が加えられる前に動けるスピード感は大切です。

もちろん、罰則も強化されたことにも意義があります。

 

 

SNSだけでコミュニケーションをとらず個人情報は出しすぎないこと

 

残念ながら、SNSによって多くの人が様々な個人情報をばらまきまくっています。

それによって、名前や学校・勤務先、交友関係、自宅の場所、いつどこにいるかなども簡単にわかってしまい、ストーカーしやすくなっています。

実際に、今回のようなファンがいる仕事をしている女性以外でも、普通の女子中高生の多くがストーカー被害にあっています。

 

このような被害を防ぐためには、なるべく個人情報を出さないことです。

学校名、自宅の場所、居場所などを特定できないよう、固有名詞や写真などはあまり投稿しないか、公開範囲を制限するのがお勧めです。

 

元々、SNSなどのネットでは、お互いの距離感がわかりづらくなるものです。

会ったこともないのに、お互いに理解し合っている、愛し合っていると思っている人たちも多くいます。

片方だけがエスカレートすると、今回のようなストーカー被害につながりやすくなります。

 

その点を注意して、なるべくSNSなどのネット上だけで済まさず、直接のコミュニケーションを重視するようにしましょう。

また、異性とはネット上で相手に誤解させるような行為(二人だけで親密なメッセージのやりとりをするなど)はなるべくつつしんだ方が無難かもしれません。

 

もしストーカーまがいのことをされても、SNS上でのブロックは相手に大きなダメージを与える可能性が大きいのでしないほうがいいでしょう。

そして、警察などに相談するようにしてください。

 

 

 

「25ans」4月号でSNSマナーについてアドバイスしてます

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25ans」4月号でSNSマナーについてアドバイスしてます。

最近のマナー特集では、SNSでのマナーや悩みのQ&Aが欠かせないようです。

すごく可愛い雑誌なので、よかったらご覧くださいね!