高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

リーダー、チャレンジャー、フォロワー、ニッチャー戦略から見るソーシャルメディア勢力図ととるべき戦略

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業界の地位は、マーケティング戦略を考える上で重要です。地位ごとにとるべき戦略が異なってくるからです。

業界の地位によって、以下の4つに分けられます。

 

リーダー:業界におけるシェアナンバー1

チャレンジャー:リーダーに次ぐシェアを保持し、リーダーに競争を仕掛ける

フォロワー:リーダーやチャレンジャーの模倣をして市場での地位を維持している

ニッチャー:小さいながらも特定の市場で独自の地位を築く

 

それぞれのとるべき戦略は以下のようになります。

 

リーダー:オーソドックスな品揃え&フルライン戦略。課題はシェア拡大・ブランド力拡大・利益向上。

チャレンジャー:リーダーとの差別化。課題はシェア拡大。

フォロワー:リーダー、チャレンジャーの素早い模倣。課題は利益確保。

ニッチャー:市場・製品を特定し、徹底して隙間を狙う。課題は利益確保。

 

では、ソーシャルメディアの勢力図を考える場合、それぞれのソーシャルメディアは何に該当するのでしょうか?とるべき戦略は何でしょうか?

 

米国のソーシャルメディアの地位ととるべき戦略

まず世界で考えてみましょう

リーダーFacebook。世界11.1億人のシェアを誇る名実共に世界一のSNS。まさにフルライン戦略と利益向上を狙っており、スマホ対応に力が入ります。

チャレンジャー:LinkedIn?Facebookと異なりビジネスSNSに特化しており、収益性が高い。

フォロワーGoogle+?FacebookTwitterの良いところどり。Googleとの連携で力を発揮。

ニッチャーTwitter、Pinterestなど?それぞれ機能を特化させ、Facebookとは違う層を狙う。Pathも?

こう考えると、勢力図がかなり見えてきますね。LinkedInは徹底したFacebookとの差異化に成功し、ビジネスという良い市場を獲得しているため、変わらずに良い地位を獲得できているのです。

 

日本のソーシャルメディアの地位ととるべき戦略

次に日本について考えてみます。

リーダーFacebook。今のところ色々な意味で安泰です。

チャレンジャーTwitter・LINE?日本では機能特化型のTwitterやLINEがチャレンジャー的位置にいます。ユーザー数の上ではLINEがFacebookを上回っているという話もありますが…

フォロワーmixi?以前はリーダーでした。少し前までFacebook等の真似が多かったものの、最近は独自路線を始めています。Google+も?

ニッチャーGREE・Mobage・pixivやカップルSNS「Between」など?

 

日本のソーシャルメディア勢力図は米国とはかなり異なります。

mixiが利益確保に走っているのは正しいと言えます。リーダーの模倣「フォロワー」は日本では厳しいようなので、むしろニッチャーを狙うと地位の確保ができるかもしれません(拡大できればチャレンジャーも狙いたいですが)。

GREEmixiSNSのリーダーとなった時、身を転じて「ニッチャー」(ゲームSNS)となることを選びました。ニッチャーのはずのソーシャルゲーム市場がふくれあがったのは記憶に新しいことです。

あのソーシャルメディア(あのWebサービス)はどのような戦略で動いているのかを考えると、色々なことが見えてきて面白いのではないでしょうか。