高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

Muuk(ムーク)の3秒コミュニケーションが理解できれば若者文化が分かる

f:id:aki-akatsuki:20140327145912p:plain

mixiが、3秒のみ写真が共有できるサービス「Muuk(ムーク)」

 を公開しています。

このアプリは、今の典型的な若者文化を体現しています。どんな文化なのかをご紹介していきましょう。

 

若者における瞬間コミュニケーションを楽しむ文化

Muuk(ムーク)は、写真を友達に送ると3秒間のみ見ることができ、その後は見えなくなってしまうというアプリです。

最大の特徴は、米国で若者の間で流行っている10秒で共有した写真が消えるサービスSnapchatと同様、その場限りのコミュニケーションを楽しむツールということ。

最近、TwitterFacebookでの炎上が騒がれています。若者たちは、ログを残して炎上してしまうことを敬遠し、その場限りのコミュニケーション自体を楽しもうとしているのです。

若者におけるセルフィー(自分撮り)という文化

このアプリを理解するためのもう一つのキーワードは、「セルフィー(自分撮り)」

物心ついた頃からプリクラを撮り、カメラ機能のついたケータイやスマホを持ち、SNSを使いこなしてきた若者世代にとっては、自分撮りは当たり前。若者は、どの角度なら自分がきれいに撮れるかを熟知しています。

我々上の世代の大半の人たちは、このセルフィーに抵抗感がある人が多いのではないでしょうか。それは、慣れていないことが大きな原因です。決め顔も分からないし、そもそも自分撮りがうまくできないとか、写真を公開するのに抵抗感があるという人も多いでしょう。

 

若者は、自分の顔写真をスタンプ的に使い、コミュニケーションを楽しみますVineニコニコ生放送などで動画を撮影・公開しているのは若者が多いのも道理、彼らは顔出しに抵抗がないのです。

参考:6秒で世界を笑顔に Vineで話題の「おもしろすぎるJK」の日常 (1/3) - ITmedia ニュース

 

実は、セルフィーは海外でも大ブームです。

たとえば、アカデミー賞授賞式上でブラッドリー・クーパーがカメラを構え、ブラッド・ピットアンジェリーナ・ジョリージェニファー・ローレンスジュリア・ロバーツメリル・ストリープケビン・スペイシー等がセルフィーして投稿したツイートは、Twitter市場最高リツイートを記録しています。

アカデミー賞授賞式会場で撮影されたセルフィーがツイッター史上最高記録リツイートに – ブラピ・アンジーら勢揃い1時間で100万件 | ロサンゼルス発 ジャパラマガジン® from L.A. 

 

日本ではまだ若者のみの文化ですが、オックスフォード英語辞典が選ぶ2013年の英単語に「セルフィー」が選ばれるなど、徐々に広い層に広がってくるのかもしれません。

 

若者には「今」「コミュニケーション」が重要

若者は、いつでも「今」が重要です。

それに対して大人世代は、ブログ等で自分を蓄積していくことが好きです。

若者は、あらゆるツールを友達との「コミュニケーション」のために使います。LINEもTwittermixiやプロフの時代も、誰かと交流し自分を認めてもらうために使ってきたのです。

この、「瞬間コミュニケーション」「顔出し文化」が分かれば、若者文化が理解できるようになります。

若者文化を理解したい!という方は、一度若者とMuuk(ムーク)を使ってみるといいかもしれません。

 

 

 ※この記事も、若者文化と使い方がとても分かりやすくておすすめです。

 mixiのスナップチャット的アプリ『muuk』が面白い件。女子大生・男子高校生の間で流行りそうな予感と、その理由 : 現役女子大生の『あぷりぽ☆』

※Muuk(ムーク)の基本はこちら。

数秒間だけ表示される写真をやりとりする瞬間自撮りメッセージ「muuk」を使ってみました - GIGAZINE

ミクシィが仕掛ける、新感覚メッセンジャーアプリ「muuk」 - ケータイ Watch