中高生の多くはインターネットで知り合いを作り、会っています。
会うことにはまったく抵抗がありません。
小学生でも会っている子はおり、高校生になると会う割合が一気に増えます。特に高校生女子は会うことにかなり肯定的です。
彼女たちは出会い系目的というわけではなく、ごく自然にSNSで知り合って会っています。
たとえば、
「ライブのチケットが手に入らなくて愚痴っていたら、チケットが余っているからとTwitterで誘われて、知らない人と一緒にライブに行ってきた」
「バンドを組みたいけどメンバーが足りないのでネット上で募集して応募者とLINEでやり取りして会った」
などの理由でごく普通の子たちが会うのです。
彼女たちは「ネットで知り合った人と会っても危険な目に遭ったことがない」と口を揃えて言います。
しかし、それはたまたまラッキーだっただけかもしれません。
SNS経由で出会って出会い系被害に遭っている子たちは多数います。
警察庁が調査したところ、年齢・性別・職業のいずれかを偽っていた人が4割くらいおり、
「同級生の女の子と思って会いに行ったらおじさんがいた」
というようなことが実際に起きているのです。
彼女たちは、元々リアルとネットの違いをあまり感じていません。
スマホネイティブ、SNSネイティブなので、どちらの付き合いでも友だちは友だちと考えます。
だから、「ネットでしかやりとりしたことないけど恋人」「会ったことはないけど親友」ということがおきてくるのです。
また彼女たちは、「ネットでやりとりすればいい人かどうかすぐに分かる」と断言します。
しかし、実際には彼女たちが騙されるケースがあります。
既に述べた通り、街角で聞いたらほとんどの女子高生が「ネットで知り合った人に会ったことがある」と答えるくらい、会うことが普通となっています。
以前は「ネットで知り合った人とは危険だから会ってはいけない」と言うことができました。
しかし、最近ではあまりに会うことが普通となっているので、この言葉には有効性がありません。
そこで、次のように言うことをお勧めします。
「ネットでは素性や本性が偽れるので、危険な可能性があるし、本当は会ってほしくはない。
けれどどうしても会うなら、次のことを約束してほしい。
◯一人で会いに行かない。友だちと複数で会いに行く。
◯日中、人が多い場所で会う。
◯行き先や会う人のことを告げてから行く。」
また、会う前にある程度相手の素性を調べておくことも大切です。
SNSの過去の書き込みは偽れないので、遡って調べておくと、実在するのかどのような人物なのかが把握できます。
SNSでのやりとりでリアルな人間関係がある場合も、実在する人物の可能性が高くなります。共通の知り合いがいたら問い合わせてみることで、相手の人となりがわかるかもしれません。
本名やフリーメール以外のメールアドレス、電話番号なども聞いておくと安心です。
お子さんへの指導の参考にしてください。