高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

10代20代のデジタルネイティブ世代のネットコミュニケーションは変化している

f:id:aki-akatsuki:20131229112141j:plain

ネットでは自己開示しやすくなります。この時、自己開示効果により、自己開示された相手も同じように自己開示しやすくなると言われています。

日常生活において、自分の気持ちや弱さなどを告白する機会はそうそうありません。たとえば恋人相手。或いは、気の置けない相手とのお酒の入った席くらいしかないという人が多いでしょう。

しかし、ネットやSNSでは自分語りができます。つぶやきや投稿として、通常なら特別な場合でしか言えなかったことを言うことができます。弱みを見せられた相手は、弱みを見せてくれた相手を信頼し、自分が一番分かっているという気持ちになります。

それ故、ネットやSNSを介することで、人は急速に親しくなるのです。

 

大人世代は、物心ついた後にネットやSNSを知りました。それ故、ネットやSNSは親しくなるための補助的役割を果たす使い方をしている人が多いようです。

特にさらに上の世代は、リアルありきという人がまだまだとても多くなっています。

 

一方、 10代20代のデジタルネイティブ世代は、ネットやSNSのコミュニケーションありきで育ってきました。ネットやSNSは、彼らにとってリアルコミュニケーションの一つ

それ故、目の前でネットやメール等をされても、大人世代は失礼と感じる一方で、若者世代は気にしない割合が多くなるのです。

 

つまり、「ネットで出会ってネットのみで交際していても友達」なのは当たり前なのです。

直接会っていなくても相手を好きになるケースが出てくるのも、当然と言えるでしょう。

 

しかしそれでも、若い世代にとっても直接会うことは特別なことです。

そのコミュニケーションがネットの外でも同じなのかどうか。大人世代が言うようにバーチャルに過ぎないのかどうか。

それを知るために、彼らはネットで知り合った人に会いに行くのです。

 

ネットで知り合った人と会いたくなるのは当然のことです。大人世代がいくら止めても、その気持ちは止めることができないでしょう。

ただし、ネットでは本心や素性を偽ることができます。悪い大人は嘘をついて子どもとコミュニケーションを取り、騙すことができます。

 

騙されているリスクは残るので、その危険性を避けるために、

〇1人では会いに行かない

〇日中人が多い場所で会う

などの工夫が必要です。

この記事を、大人世代が子ども世代を理解し、リスクを避けるための一助としていただけたらと思います。

 

 

http://www.asahi.com/articles/ASF0TKY201312280299.html

http://www.asahi.com/special/news/articles/TKY201306030017.html

http://www.asahi.com/articles/OSK201311090002.html