高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

なぜTwitterで炎上するのか?する側される側の心理とは

2013年は、Twitterによる炎上事件が目立った年でした。特に夏がひどくて、連日報道が続いたのは皆さんも記憶に新しいと思います。

では、なぜTwitterで炎上が起こるのでしょうか?炎上する側とさせる側の心理、メカニズムについて分かりやすく解説します。

 

炎上最多はTwitter

ダイヤモンドオンライン調べによると、身近で炎上した人がいる割合は6%。そのうち炎上が起きたソーシャルメディアは、Twitterが52%で最多でした。

実はこのTwitterの仕組みが、炎上が起きる理由の一つとなっています。

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※当記事のグラフ画像はこちらからお借りしています(→http://diamond.jp/articles/-/43633

 

炎上のメカニズム

2013年は、学生やバイトたちのTwitter炎上事件が目立った年でした。

彼らのアカウントはフォロワーは少なくせいぜい数百名程度しかいなかったのに、なぜ炎上したのでしょうか?

 

若者の多くは、TwitterをLINEと同様の友人とのコミュニケーションツールととらえており、友人にウケるネタとしてツイートしていただけでした。

ところが彼らのほとんどは、Twitterは基本的に全体公開となっており、検索すればリアルタイム検索などで誰からも見られてしまうということを自覚していませんでした。

 

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※「飲酒運転」でリアルタイム検索した結果、Twitterのツイート、Facebookの全体公開投稿が表示された

 

同時に、Facebookは実名・顔写真入りで使うものなので投稿に気をつける人が多い一方で、Twitterは匿名で顔写真なしで使えるため心が緩みがちという点もあります。

 

実際は、我々はネット上に様々な情報をばらまいています。その様々な情報を付き合わせることで、匿名は簡単に破ることができます。

たとえ匿名で利用していても、位置情報、固有名詞、交友関係などからある程度のプロフィールを特定することができます。さらにFacebookその他SNSに公開している情報と付き合わせることで、実名や学校・勤務先なども分かってしまうというわけです。

 

また、ネット上に出した情報は、ウェブ魚拓やキャプチャーなどにより保存できてしまい、基本的には完全に削除することは難しいことも知っておくべきでしょう。

 

炎上させる側は「正義感」「大義名分」で動いている

炎上はただの炎上では終わらず、勤務先や学校・内定先などへの「電凸」により、退職・退学・内定辞退につながるなどリアルな生活に影響が出たり、家族を含めた個人情報がネット上に貼られることによるプライバシー被害が出ることが恐ろしい点です。

 

ところで、前述の調査で炎上させる側の心理を調べたところ、炎上に参加して対象者をこらしめようとする人に賛同する人は全体の23%、つまり4人に1人が賛成と答えていました。

炎上は、主に「犯罪自慢(窃盗、飲酒運転、キセル、暴力行為等)」「誰かが不快に思う投稿(モラル・マナー違反、守秘義務違反、誹謗中傷、差別、迷惑行為、不衛生な行為等)」などをした場合に起きます。

炎上させる側は、正義感・大義名分により、問題となる投稿やツイートを積極的に探しています。そして、こらしめるために炎上させたり、電凸しているのです。

ツイートや投稿から数ヶ月後に炎上することがあるのは、そのようなツイートや投稿を探している人がおり、発見したタイミングがその時点だったためなのです。

 

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※画像はこちらからお借りしました(http://diamond.jp/articles/-/43633) 

 

炎上しないためにできること 

Twitterで炎上しないためにできることは何でしょうか。

まず、Twitterには鍵をかけ、他のソーシャルメディアも公開範囲を考えて設定することです。

知らない人とはつながらないこと、個人情報は出し過ぎないこと

さらに、匿名でもネット・SNSでは他人が見て不快に感じる可能性がある発言・犯罪・誹謗中傷等はしないこと

投稿前に、一度それを投稿したことで自分が不利益を被らないか考えてから投稿するようにするといいでしょう。

 

Twitterは楽しくて便利なものですが、LINEとは違います。使い方を間違えると人生を棒に振ってしまうので、気をつけて使うようにしましょう。