SNOWやSnapchatなど、一定時間で画像やメッセージが消える「消える系(エフェメラル系)」SNSが10代を中心に人気です。
この人気から、InstagramやLINEでも一定時間で投稿が消える機能が追加されています。
大人と同じSNSは使いたくない10代
元々、10代は自分たちだけの空間を作りたがります。
保護者や教員など周囲の大人に見られて、自分たちの関係ややりとりに口を出されたくないと考えます。
それ故米国でも、古くはMySpaceなどにこぞって若者が向かった時代があります。
Facebook、Snapchat、Instagramなどと若者は移っていきました。
大人が使い始めると、「ダサい」と考え、子どもたちは次のサービスに移るのです。
それ故、10代はアーリーアダプター的に流行る前のサービスを使うことになるのです。
これは日本でも同様です。
現在の10代のFacebook離れも、大人がこぞって使っているというのが大きな理由でしょう。
「大人が使っていない」「自分たちだけの自由にできる空間」というのが、彼らがエフェメラル系SNSを利用している理由の一つなのです。
背景には、「 炎上」が騒ぎになり、社会問題化したことも影響しています。
若者たちも、FacebookなどのSNSに書いたことで炎上騒ぎになるリスクを感じるようになりました。
そこで、メッセージが消える=炎上しないと考えて、エフェメラル系がもてはやされるようになったのです。
その場限りのやりとりなので、思い切った変顔なども送れて楽しいと考えたユーザーは多数いました。
ヌードなどのきわどい写真を送ってしまう、いわゆる「セクスティング」に利用するユーザーもいたくらいです。
しかし実際は完全に消えるわけではなく、画面キャプチャが撮れます。
それが分かっていなくて、ヌード写真などを流出させられるなどのリベンジポルノトラブルになる例も見られました。
Snapchatなどのアプリの注意書きにもその点(Snapchatユーザーは、スクリーンショットを撮ったり、カメラを使ったりして、いつでもあなたのメッセージをキャプチャまたは保存できます。よく考えてから何をスナップするかを決めましょう。)が後から追加されています。
仲間には見せたい若者たち
元々は「消える」ことが重視されていましたが、最近はSNOWもSnapchatも画像加工アプリとして使われることがほとんどです。
せっかく可愛く、或いは面白く加工できたので、他の人に見てもらいたい。
そう考えて、InstagramやLINE、Twitterに画像を転載するユーザーが多いのです。
そこでは「消える」ことは無関係です。
むしろ消えてしまうのはもったいないので残しておきたい。他の人に見てもらいたいのです。
若者たちは、消える系SNSであるSNOWを使っても、消えることにはこだわりません。
同様に、仲間内だけで閉じたやりとりができるLINEを使っても、やりとりのキャプチャをTwitterに貼るなど、やはり見られないことにはこだわっていません。
大人のいない空間で、仲間内で楽しいコミュニケーションができるかどうか。彼らが願っているのはそれだけなのです。