高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

歴代のソーシャルメディア疲れまとめと解消方法

マスクをする女性

 

ソーシャルメディアは人と人がつきあうためのものだから、楽しいことがあれば、疲れることもある。当たり前なのだけれど、人の生活に深く入り込んだソーシャルメディアには必ず「疲れ」がつきものです。

 

歴代のソーシャルメディア疲れ

2006年「mixi疲れ」

足あとが気になる、コメントがついたか気になる、人が書いていることが気になる、他人と比べてしまう、親しい人や気になる人の動向や友人、見てくれたかどうかが気になる等、日本における「ソーシャルメディア疲れ」の元祖的存在でしょう。

 

2010年「Twitter疲れ」

言いたいことが言えない、他人の目が気になる、リツイートを求めてしまう、フォロー返しを期待したり、フォロワーの増減を気にしてしまう、親しい人のツイートが気になる等々。緩いつながりが売りだったはずのTwitterでも「疲れている」。

 

2013年「Facebook疲れ」。実名故に様々な関係の人とつながってしまい、何も言えなくなってしまう。「いいね!」を求めたり他人と比較してしまうなど、米国でも日本でも疲れる人が現れている。

 

同2013年「LINE疲れ」。「既読」が表示される故の「返事しなきゃ」のプレッシャーに疲れる人が多く、プッシュ通知で次々に通知が来るので即レスをしてしまい疲れる等の例も。

最近立て続けに、小中学生の子どもを持つ保護者と話す機会がありました。LINEは本当にチェーンメールの巣窟となっており、「うざい」と言いながら使っているという話でした。

 

ついでに、最近流行なのが「ソーシャルハラスメント」略して「ソーハラ」。これはソーシャルメディアが普及しきっているためと、Facebookは実名なので会社の人ともつながってしまい、つきあい方に困っている例が増えているためです。なお、ソーハラが不法行為に当たった場合は、慰謝料の請求もできるとか!

 

実は、ソーシャルメディアだけでなく、子どもはケータイメールで疲れていました。返信を5分以内に返さなければならない「5分ルール」など、行動を縛られたからです。これは最近はLINEに場所を移していますが、中味はまったく同じことに気付くでしょう。

 

企業のSNS疲れもあります。炎上を恐れ、リスクに怯えつつ、効果に疑問を感じつつも使わざるを得ない現状に、企業も疲れているのです。

 

主体性を取り戻し、振り回されない時間を作ろう

人と人はいつでもつながりたいと思っています。同時に、自分だけのパーソナルスペースも持ちたいと思っています。

ところがソーシャルメディアはインターネットやケータイ・スマホを通じて、いつでもどこでもついて回ります。関係性を強要されたり、関係が可視化されることによって気にしなくてもいいことまで気になるようになります。

 

振り回されて「〇〇しなければならない」となると疲れてしまうのは当たり前。

主体性を取り戻して、自分が使いたい時に使うようにすることで、疲れは軽減されます。まずは利用時間を制限したり、プッシュ通知を切ったりして、振り回されない時間を取るところから始めるのがお勧めです。