若者の間でLINEが人気です。
若者がLINEを選ぶ理由は簡単で、友達が使っているから。ネットワーク外部性とか、同調圧力とかも影響しているでしょう。
ここでは、若者にLINEが人気な理由の「プラスα」を考えてみました。
面倒でない
女子高生に聞いたところ、「メールとか面倒くさい、LINEのが便利」と言っていました。彼女たちは友達とメアドや電話番号は交換せず、LINEのみを交換すると言います。
「メールは面倒くさい」とはどういうことでしょうか。
メールは宛先を選び、件名を書き、本文を書く必要があります。ところがLINEなら手順がとても少なくて済みます。
タップする手数で見ると、メールは「メールアプリ起動→メール作成→宛先を選ぶ(名前を打ち込むかアドレス帳等から選択)→件名をタップして件名を書く→本文を書く→送信」と、かなりの手数が必要であることが分かります。
ところがLINEなら、「LINEアプリ起動→送り先選択(友だち→相手orトーク→相手等)→用件」で済みます。タップ数でいうと半分くらいです。
この「面倒ではない」が意外と大きいと思われます。
「メールや電話番号を教えるのは面倒くさい。LINE IDなら簡単。ブロックも簡単だし」と彼女たちは言っていました。
なるほど、LINEなら人間関係を築くのも拒むのも簡単、というわけです。
反応が素早く分かる
女子高生たちは、「友達にどう思われているかが気になる」と言います。
彼らにとって用件は重要ではなく、「自分がどう思われているのか」ということ、コミュニティへの所属自体が重要です。
その上暇があり、待つことができません。だからこそこれまでも子ども達は、メールもチャット状態でやりとりしていました(5分以内に返信しなければいけない「5分ルール」など)。
LINEならスタンプや短文でやりとりでき、プッシュ通知で教えてくれて素早いやりとりが可能なため、彼らの時間感覚にぴったりなのです。
10代にはTwitterも人気であり、チャットツールのように使われています。Twitterは、やりとりの簡単さ、素早さからウケているのです。
所属意識、仲間意識を求めている
子ども達は、承認され、所属したがっています。
LINEは、つながらなければトークをやりとりすることができません。
この閉じられたグループ感、仲間意識、つながっている感は、mixiが人気だった理由でもあります。少し前までは、mixiが女子高生や大学生に人気でした。
LINEは、Twitterの素早いコミュニケーションと、mixiの仲間意識が合わさったサービスです。おまけに、とても簡単です。
LINEが若者ウケするポイントを抑え、しかも実際にシェアを取っている今、LINEの無敵はしばらく続きそうです。
Facebookは実名で検索にもオープンだったために、利用者が増えることで使いづらくなりました。
一方、LINEは閉じられています。ただ閉じられすぎた故の使いづらさ(既読スルー問題、LINE疲れ等)という面は残ります。
人と人はつながりたい欲求を持ち、同時につながりすぎることで疲れたり問題が起きたりします。このジレンマをすべて解決するサービスは今後現れるのか、LINEがそうなっていくのか。さらに注目していきたいと思います。