高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

10代はなぜTwitterで複数アカウントを使い分けるのか?

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アカウントを使い分ける中高生

高校生や大学生は、TwitterInstagramで複数のアカウントを使い分けています。
なぜどのようにアカウントを使い分けるのかについてご紹介したいと思います。

高校生などに聞くと、特に女子高生は4つくらいのアカウントを使い分けているのが普通です。
男子高生などでも使い分けている子はいます。

大抵の場合、クラスの友達にも教える表アカウント、限定した友達にのみ教える裏アカウント、趣味のアカウントのみフォローする趣味アカウント、愚 痴や悪口などを言うための裏アカウント(病みアカウント・闇アカウント)などがあります。
そこに、勉強のために活用する勉強アカウント(勉強垢)なども入ってきます。

ペルソナによって切り分けている

Twitterは匿名で複数アカウントが持てるのに、なぜ複数のアカウントを使い分けるのか。
使い分ける理由はいくつかあります。

高校生などにとってTwitterはメインのコミュニケーションツールの一つ。
表アカウントは、たとえ匿名でも周囲に把握されています。
大人でも、実名制のFacebookで仕事相手や家族、恋人、友人などともつながってしまい、何も書けなくなっている人はいるでしょう。
これとほぼ同じ状態なのです。

そこで、顔を使い分けるためにペルソナによって切り分けているのが複数アカウントというわけなのです。

キャラクターを使い分けている10代

10代は、自分の居場所を獲得するためにキャラクターを使い分けています。
「クラスではツッコミ役がいなかったからツッコミ役をやる」と決めてキャラクター作りをします。
それが彼らなりの処世術というわけです。

しかし、本来の人間は様々な面を持っています。
そこで、自分で作り上げた周囲に期待されるキャラクターからこぼれた部分を、他のアカウントで補っているのです。

「オタク趣味のことはクラスの友達に知られたくないから趣味垢で」
「素の自分らしい話は仲良しだけに教えている裏垢で」
「ネガティブな自分は誰にも知られたくないから匿名垢で」
と使い分けています。

四六時中SNSでつながり他人の目を意識し続けなければならないスマホネイティブ、SNSネイティブならではの悩みと言えるでしょう。

タイムラインを興味関心で分けている

これには良い面もあります。
Twitterは様々な人をフォローしすぎるとタイムラインが混沌として機能しづらくなってしまいます。
彼らのやり方ならば、それぞれのアカウントがTwitterのリストのように使えるのです。
ファッションのことはファッションアカウント、アニメのことはアニメアカウント…のように使い分けている子もいます。

これはInstagramも同様です。
Instagramでは投稿するテーマを決めることが推奨されています。
そこで、そのアカウントで投稿できないテーマを他のアカウントで補っているというわけです。
テーマごとに投稿内容・フォローする相手を変えることで、情報が取得しやすくなるというメリットもあります。

TwitterInstagram共に公式アプリで複数アカウントが管理できるようになっているのは、ユーザーのこのようなニーズを反映させた からでしょう。
大人世代からは不思議に思えることも、10代にとって意外と合理的だったりするのです。