高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

10代のLINE利用における鍵は「共有」と「誤解がないコミュニケーション」

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LINEの利用は「コミュニケーション」「共有」が目的

ティーンは、LINEにおいて短い文章でチャットのようにやりとりします。今という時を「共有」するために、このようなやり方をとっています。

メッセージの内容よりもトークを送るというコミュニケーション自体が重視されており、友達同士がじゃれ合うような、身体的コミュニケーションに近いというわけです。

10代にとってLINEは「メッセージ」「無料通話」ではなく、スタンプを通した「コミュニケーション」のために使われているのです。

最終的な目標は「共有」。今という時間の共有ができればそれでいいわけです。

 

参照:「LINEいじめ」は実在しない? グルチャが130個以上? 音声メッセージがアツい?〜渋谷の現役JKたちにLINE事情を聞いてきたよ | ねとぽよ

 

音声メッセージで誤解なく伝える

 ティーンは、LINEで音声メッセージもよく送るといいます。これは、

「人間関係についての話などは、書き言葉にするとちょっとしたニュアンスで内容が変わってしまうこともあるので、音声がちょうどいい」

ため。つまり彼らは、リアルに話した方が誤解がないからこそ音声メッセージを使っているのです。

 

メラビアンの法則のとおり、人は言語情報からはわずか7%、口調や話の早さなどの聴覚情報から38%、表情や身振りなどの視覚情報から55%の情報を得て、メッセージの内容を受け止めています。

元々文章のみでは相手の感情などが伝わりづらく誤読を生むため、顔文字や絵文字、デコメなどが生まれたという経緯があります。

コミュニケーション自体が目的のため、誤解を生まないスタンプ(視覚情報)や音声メッセージ(聴覚情報)が利用されているというわけです。

 

最近、大学生限定で音声ベースのソーシャルネットワーク「OpenMic」なども登場してきました。 

アメフトの試合の様子、パーティーでの一コマ、音楽、そしてもちろん、学生らしく宿題についてのことなども登録して欲しい

ということですが、ベースは同じ「共有」「誤解のないコミュニケーション」でしょう。

10代のコミュニケーションは、大人とは違います。これを分かった上で見ると、彼らのことが理解できるようになるかもしれません。