高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

【女子高生とLINE】なぜLINEでは出会い系被害が起きやすい?(4)

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LINEは出会い系被害につながりやすくなっています。
LINEにおける中高生の出会い系被害の実態と問題点をまとめてご紹介します。

警察庁発表(pdf)によると、近年は出会い系サイト規制法により、出会い系サイトでの児童生徒の被害は減少し続けています。
代わりに、コミュニティサイト、つまりSNSなどのコミュニケーションが取れるサイトでの被害が増え続けています。
少し前には、ID交換掲示板による被害が増大していると発表されました。
ID交換掲示板というのが、LINEの非公式ID交換掲示板のことです。

LINEの非公式ID交換掲示板というのは、LINEの友達を募集する非公式なサイトのこと。
検索すれば、未成年による書き込みも多数見つかります。
このようなサイトを通じてLINEでつながることで、出会い系被害につながっています。

少し前には、「#profile」というハッシュタグによる出会い系被害の危険もありました。
LINEのタイムライン上では、LINE全ユーザーを対象に、全体公開で投稿できるようになっています。
「#profile」「#友達募集」「#自己紹介」「#繋がりたい」などのハッシュタグをタップすると、全体公開で投稿された出会いを目的とした投稿が多数見つかります。
タップするだけで友だち追加画面となるQRコードやURLが溢れかえっています。
LINE株式会社は削除対応を始めていますが、現状は対応が追いつていない状態です。

では、なぜLINEは、出会い系被害につながりやすいのでしょうか。
そこには大きな理由があります。

他のサービスとLINEの大きな違いは、友達としてつながるだけで通話ができる点です。
これまでの出会い系被害につながったモバゲー、GREEなどのSNSやゲームは、メールアドレスや電話番号などのやりとりができないようになっていました。
たとえ伏せ字にしても検出されてしまいやりとりができないため、事実上会うことがとても難しくなっていました。
ところが、LINEなら友達としてつながった瞬間に通話ができるので、会うための敷居がとても低くなっているのです。

実際、中高生はネットやSNSで知り合った人と会うことにまったく抵抗がありません。
Twitter上でやりとりしただけの人と気軽にLINEでつながってしまうケースがほとんどです。
「チケットが余ったから一緒にライブに行こう」などの軽い理由で会っている子がほとんどです。

多くの子達は、「これまでたくさん会ったけれど危ない目にあったことはない」といいます。
しかし、危ない目に遭ったが最後なので、ネットで出会った人とはなるべく会わないようにしてほしいと思います。
もしどうしても会う場合は、友達となど複数で会う、昼間人が多い場所で会う、会いに行く相手を親などに告げていくなどの対策を取るべきでしょう。