高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

【女子高生とLINE】女子高生にとってのLINEとTwitter(7)

f:id:aki-akatsuki:20170123170039p:plain

女子高生にとって、LINEとTwitterはどういう存在なのでしょうか。

多くの女子高生にとって、LINEとTwitterがメインのコミュニケーションツールです。
Twitter複数アカウントが作成できるので、クラスの子にも教える表アカウント、親しい友人にのみ公開する裏アカウント、趣味のことをツイートする趣味アカウント、愚痴などを言う闇アカウントなどを使い分けています。
アカウントによってツイートする内容を変えることができるので、Twitterは便利です。

Twitterでは、短文でチャットのように個人的なことをやりとりするケースが多く見られます。
Twitterで盛り上がったら、「続きはLINEのグループで」というケースは非常に多く、「LINEの友達の大半が知らない人」という女子高生も多数います。

女子高生世代は、一般的にネットでの知り合いと、リアルの知り合いに違いを感じていないことが多いようです。
大人と違い、ネットの知り合いもリアルの友人も「どちらも同じ友人」になるわけです。
それ故、ネットでやり取りしただけで「親友」「恋人」となることがあります。
Twitterでやりとりしただけで既に「友だち」なので、LINEでつながることに抵抗を感じていないのです。

一方、LINEは複数のアカウントが作れないので、グループによって顔を使い分けています。
プッシュ通知がある上「既読」機能があるので、相手の動向が見えやすく、リアルタイムコミュニケーションに利用されています。
多数のグループを使い分けて、やはり短文でリアルタイムにやりとりされるケースが非常に多く見られます。

Twitterの場合は、リツイートなどが容易です。
一方のLINEでは引用などができませんが、代わりに女子高生たちは画面をキャプチャして個人的に保存したり、Twitter上で公開したり、他人に送ることもあります。

つまり、TwitterもLINEも、女子高生にとってはそれほど使い方が変わらないのです。
しかし実際は、TwitterGoogleなどの検索対象となり、他人から見られています。
一方のLINEは検索対象とはならず、他人からは見られない仕組みですが、友だちとなれば通話までできます。

両者の違いを理解して、親しい人とはLINE、まだ親しくない人とはTwitterと使い分けられている女子高生もいます。
しかし、まったく理解せず、どちらも同じような使い方をしている女子高生も少なくありません。
それ故、炎上につながったり、出会い系被害や、プライバシー侵害問題につながることもあります。

【女子高生とLINE】自撮り(セルフィー)とSNOWの関係(6)

f:id:aki-akatsuki:20170120155658p:plain

女子高生と言えば自撮り(セルフィー)の話が欠かせません。

彼女たちは、SNSに投稿するために毎日のように自撮りをします。

それ故、自撮りが非常にうまく、自分が可愛い角度を熟知しています。可愛く撮れなければ、可愛く撮れるまで100回くらい撮り直すことは普通です。
メインとなるのは、LINEやInstagramへの投稿。
日記的に記録として撮影したり、コミュニケーション用に撮影します。
親しさをアピールするために友達や彼氏と撮影したり、SNSに投稿するコンテンツとして撮影することもあります。

最近、アプリ「SNOW」を使う例がとても多くなっています。
「Snapchat」と同様、一定時間で消えるいわゆる「エフェメラル系」アプリです。
しかし、実際は消える部分ではなく、可愛く顔を加工できるところがウケています。
「あっちのクマもこっちのクマも」のクマや、キラキラ加工など、可愛くてユニークな加工が多数用意されています。

SNOWで撮ると、いくら可愛く撮れてもその画像は消えてしまいます。
通常撮影した場合はカメラロールに残りますが、それもありません。
そこで、可愛く撮れたセルフィー写真は、LINEやInstagram上でシェアされます。
消したいのではなく、保存しておきたいのです。
SNOWはタレントや芸能人なども多数利用しており、女子高生の間で一気にブレイクしました。

特にSNOWは、顔の多くを隠すことができるため、自撮りが恥ずかしかったユーザーまで自撮りするようになりました。
動きがあるので、女子高生たちはお互いにネタとして送り合って楽しんでいるのです。

【女子高生とLINE】女子高生はLINEで何をしている?(5)

f:id:aki-akatsuki:20170119161858p:plain

普段、女子高生はLINEで何をしているのでしょうか。
今回は、女子高生がLINEでしていることをまとめてご紹介します。

女子高生がLINEを使う理由は、「暇つぶし」がほとんど。
大人世代には想像もつきませんが、彼女たちにとって「暇つぶしができるかどうか」はアプリを使う重要な理由です。

一対一でのトークは「コチャ」といいます。グループチャットは「グルチャ」。多くの女子高生はものすごい数のグループに入っているので、LINE からのプッシュ通知が鳴り止みません。
スタンプをたくさん送ることは「スタ爆」と言ったりします。

相手から悪口を言われていないかだけでなく、ブロックされていないかどうかも気になる点です。
そこで、「ブロック大会」が行われます。ブロック大会とは、「友達が増えたから整理します。この投稿を見たらスタンプ押して。押さない人はブロック」というタイムラインに投稿されるイベントです。
これは、自分中心で人間関係をコントロールし、ブロックされる側ではなくする側になりたいという思い。さらには、周囲からブロックされていないかどうかの確認を兼ねてもいます。
多くの中高生はブロックされたくないので必死にスタンプを押します。逆に、「かまちょ(かまってちゃん)うざい」と思っている子もいます。
「ブロック大会」のカジュアル版が「友達確認」です。「投稿が見えてる人全員スタンプ押して」という投稿をやはりタイムラインに投稿します。

「どんな人が好き? イケメン→目がハートスタンプ 面白い人→笑い顔スタンプ スポーツマン→GOODスタンプ…」などと決めてアンケートを取ったりもします。
このような最初に投稿する画像は使いまわされており、様々な画像系アプリなどで見ることができます。

「バトン」も流行しています。バトンとは、あるテーマで質問一覧を作成し、他の人達に答えてもらうものです。この質問一覧も使いまわされており、探すと山のように見つかります。

その他、チェーンメールも投稿されています。中高生のタイムラインはそのような暇つぶし投稿で賑わっているのです。

【女子高生とLINE】なぜLINEでは出会い系被害が起きやすい?(4)

f:id:aki-akatsuki:20170118150700p:plain

LINEは出会い系被害につながりやすくなっています。
LINEにおける中高生の出会い系被害の実態と問題点をまとめてご紹介します。

警察庁発表(pdf)によると、近年は出会い系サイト規制法により、出会い系サイトでの児童生徒の被害は減少し続けています。
代わりに、コミュニティサイト、つまりSNSなどのコミュニケーションが取れるサイトでの被害が増え続けています。
少し前には、ID交換掲示板による被害が増大していると発表されました。
ID交換掲示板というのが、LINEの非公式ID交換掲示板のことです。

LINEの非公式ID交換掲示板というのは、LINEの友達を募集する非公式なサイトのこと。
検索すれば、未成年による書き込みも多数見つかります。
このようなサイトを通じてLINEでつながることで、出会い系被害につながっています。

少し前には、「#profile」というハッシュタグによる出会い系被害の危険もありました。
LINEのタイムライン上では、LINE全ユーザーを対象に、全体公開で投稿できるようになっています。
「#profile」「#友達募集」「#自己紹介」「#繋がりたい」などのハッシュタグをタップすると、全体公開で投稿された出会いを目的とした投稿が多数見つかります。
タップするだけで友だち追加画面となるQRコードやURLが溢れかえっています。
LINE株式会社は削除対応を始めていますが、現状は対応が追いつていない状態です。

では、なぜLINEは、出会い系被害につながりやすいのでしょうか。
そこには大きな理由があります。

他のサービスとLINEの大きな違いは、友達としてつながるだけで通話ができる点です。
これまでの出会い系被害につながったモバゲー、GREEなどのSNSやゲームは、メールアドレスや電話番号などのやりとりができないようになっていました。
たとえ伏せ字にしても検出されてしまいやりとりができないため、事実上会うことがとても難しくなっていました。
ところが、LINEなら友達としてつながった瞬間に通話ができるので、会うための敷居がとても低くなっているのです。

実際、中高生はネットやSNSで知り合った人と会うことにまったく抵抗がありません。
Twitter上でやりとりしただけの人と気軽にLINEでつながってしまうケースがほとんどです。
「チケットが余ったから一緒にライブに行こう」などの軽い理由で会っている子がほとんどです。

多くの子達は、「これまでたくさん会ったけれど危ない目にあったことはない」といいます。
しかし、危ない目に遭ったが最後なので、ネットで出会った人とはなるべく会わないようにしてほしいと思います。
もしどうしても会う場合は、友達となど複数で会う、昼間人が多い場所で会う、会いに行く相手を親などに告げていくなどの対策を取るべきでしょう。

【女子高生とLINE】LINEいじめの実態と対策とは?(3)

f:id:aki-akatsuki:20170117171024p:plain

 

最近のネットいじめはLINEで起きることがほとんどです。
ネットコミュニケーションのほとんどがLINEで行われているからです。

なお、いじめ自体が一番起きるのは中学生。他の世代より圧倒的に多くなっています。
LINEいじめが起きる一番早い年齢は小学校高学年であり、クラスで所持している子が複数いて、悪口を含むやりとりから大問題に発展したという話を聞いたことがあります。
全般的には、中学校以上でLINEいじめが始まるケースが多いようです。

LINEで起きるいじめの主なパターンは、以下のようになります。

◯仲間はずれ(グループ外し、その子だけ外したグループを作成するなど)
◯無視(その子のトークだけを無視するなど)
◯グループ内で一斉に悪口を送る
◯本人が嫌がるような写真・動画などをクラスのグループなどに投稿する

LINEいじめの最大の問題点は、ネットいじめ全般に言えることですが、時間・場所を問わずにいじめが続くこと。
グループで集団でいじめたり、写真や動画等が共有できるので、集団いじめにつながりやすいこと。
検索対象とならず、友達になりグループに招待されないと読めないので、外部からわかりづらいことです。
また、LINEのトークは端末から削除すると証拠が残らないため、いじめっ子がいじめられっ子の端末から削除させた例を知っています。

LINEいじめを外から確実に分かる方法はないので、当人に話してもらうしかありません。
普段から様子を見守り、変化にすぐに対応するのがベストです。

なお、小学生など低年齢の子たちは文章だけでやりとりするのが難しく、問題あることを投稿してしまいがちです。
そこで、子どもたちのインターネット利用について考える研究会の「オンラインコミュニケーションの段階的利用」を利用して、徐々に子供に使わせていくことをお勧めします。

オンラインコミュニケーション能力のモデル | 子どもネット研

 

【女子高生とLINE】LINEではどのような問題が起きる?(2)

f:id:aki-akatsuki:20170116173759p:plain

 

LINEで高校生において起きる主な問題は、数パターンに分けられます。
一般の学生が対面している問題は、「LINE依存」問題と「いじめ」問題です。この2つは非常に多く、教員の皆さんからの注目も高い問題です。

LINEはプッシュ通知があるため、通知が気になって勉強が手に付かない学生は多数います。それ故、学業不振や寝不足などにつながる例は非常に多くなっています。
もらったトークを読むと「既読」表示がされることも彼女たちを苦しめます。
プッシュ通知と既読によりLINEから離れられなくなることをLINE依存状態と言います。

学生は全般的に、「既読がついたのに返事がないのは、嫌われているか無視されているか馬鹿にされているかだ」と思う傾向にあります。

それ故、相手を嫌っていないと伝えるために、既読がついたらすぐに返事を返すことを繰り返しているうち、LINE依存となっていくのです。

これはいじめ問題とも表裏一体となっています。既読を無視する行為「既読スルー」、いつまでも既読がつかない行為は「未読スルー」と言って嫌われる行為であり、これが原因でいじめにつながる場合もあります。

 

LINE依存状態から脱却するのが難しい理由は、一人で使うものではなく相手がいるものなので、自分だけでやめられない点です。

そこで、最近は「LINEは夜9時まで」などと自治体や学校などで利用を制限して効果を上げている例が増えています。

お友達の家庭同士で話し合って決めてもいいですね。

依存しないための指導は、また別の項で解説しますね。

 

最近のネットいじめはLINEを通じて行われることが増えています。
主に、ネットコミュニケーションの大半がLINEで行われているためです。
LINEいじめについては、こちらを御覧ください。

akiakatsuki.hatenablog.com



また、LINEでは「出会い系被害」にも数多くつながっており、こちらも大きな問題となっています。LINEの出会い系被害については、こちらを御覧ください。

akiakatsuki.hatenablog.com

 

 

【女子高生とLINE】女子高生のSNS事情(1)

f:id:aki-akatsuki:20170113163401p:plain

 

初回の今回は、女子高生のSNS事情についてご紹介したいと思います。

女子高生はリアルとSNSで友人と交流します。
SNSを使っている時間はとても長く、テレビを見ながらリアルタイムでLINEというのも普通。
男子高生はスマホゲームに走る傾向にあるので、SNSが重要なのは女子高生。そこで、タイトルの【女子高生とLINE】となってくるわけです。

女子高生が使う基本SNSは、LINEとTwitterInstagram
そこに、自分好みのアプリが色々と加わってきます。最近は動画系なども人気です。

LINEは全年代の基本ツールとなってますが、10代に特徴的なのはTwitter
この2つで主なコミュニケーションを取っています。

高校生や大学生になると、クラスの友達でもメールアドレスや電話番号を知らないのは普通です。
多くの場合はLINEのみでつながったり、補助的にTwitterでつながったりしています。

入学前にLINEグループを作り、「◯◯高校入学予定。よろしく!」などとプロフィールに書いておき、入学前につながってしまうというわけです。
入学後はすぐにクラスのグループを作り、男子グループ、女子グループを作り、さらに少人数のたくさんのグループを作って交流していきます。

LINEはブロックできるので友達関係が管理しやすいと聞いたことがあります。
一方、ブロックされたらもう連絡手段がないので、Twitterアカウントを探して謝罪したという話も聞きました。

女子高生にとってLINEはインフラ。これは基本中の基本です。



最近メディアへの執筆ばかりでブログに記事を書けていませんでした。
でも、ブログは大事です。
神原サリーさんを見習って、もっと書いてみたいと思います!

多くのメディアにばらばらと書いていることのエッセンスを主にまとめていく予定です。
【女子高生とLINE】はシリーズで書いていきます。
仕事の締切の隙間で更新するので、よろしくお願いいたします。