高橋暁子のソーシャルメディア教室

ITジャーナリスト・成蹊大学客員教授高橋暁子のブログ。ソーシャルメディア界隈のこと、IT関連ニュースのこと等をメインに取り上げます。

LINE公式アカウントは密かに入れ替わっている?

LINE公式アカウントは初期費用が200万円、月額約150万円〜(300万円とも)。オリジナルスタンプ配信はフォロワーを増やす効果は大きいものの、約1000万円かかると言われています。また、メッセージの配信もフォロワー数が増えるほど高額になる仕組みです。

そのLINE公式アカウントの定着率について調べてみました。

 

「メンバーがいません」

LINEのトーク欄を見ると、「メンバーがいません」と表示されているところがあります。これは、そのアカウントがなくなったことを意味します。個人なら退会状態、公式アカウントなら終了したということです。 

たとえば私が友だちになっていた公認アカウントの中で、

「日本HP」

「たまひよ」

「こどもちゃれんじ」

「車のガリバー」

などが消えています。スタンプやキャンペーンをやっていたので友だち登録したのに、いつの間にか消えてしまっていました。今は「unknown」と表示され、アイコンも消えてしまっています。

これらの企業は、おおよそ3ヶ月程度しか活動せずに終了していたようです。

 

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公式アカウントの変遷を見てみた

本当はどのくらい公認アカウントが消えているのだろう?と思い、とりあえずスタンプを確認してみました。

初期の頃のものはほとんど期限切れ、しかもスタンプだけではどのブランドか分からない。これで1000万円…

 

そこで、ガイアックスさんの調査結果を見てみることにしました。公式アカウント(企業・タレント含む)は全体に増え続けています。また、LINEユーザー数の伸びに合わせ、フォロワー数も着実に増え続けています。

 

2012年7月末/1位ローソン262万人、合計36アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2012/08/01/line-matome/

2012年8月末/1位ローソン322万人、合計41アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2012/09/03/line-matome-2/ 

2012年9月末/1位ローソン360万人、合計55アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2012/10/03/line-matome-3/

2012年10月末/1位ローソン402万人、合計70アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2012/11/08/line-matome-4/ 

2012年11月末/1位ローソン436万人、合計91アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2012/12/05/line-matome-5/

2012年12月末/1位ローソン519万人、合計102アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2013/01/08/line-3/

2013年1月末/1位ローソン612万人、合計110アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2013/02/08/line-ranking/ 

2013年2月末/1位ローソン638万人、合計119アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2013/03/13/line-ranking-2/

2013年3月末/1位ローソン663万人、合計127アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2013/04/09/line-ranking-3/

2013年4月末/1位ローソン686万人、合計138アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2013/05/10/line-ranking-4/

2013年5月末/1位ソフトバンク732万人、合計154アカウント

http://media.looops.net/gaiax/2013/06/07/line-5/

 

消えたアカウントを追う

 

これだけでは消えているアカウント数が分からないので、確実に消えているアカウントのフォロワー数を確認してみます。

 

「日本HP」2013年4月末時点で29位192万3456人

「たまひよ」2013年2月末時点で24位165万7169人

「こどもちゃれんじ」2013年4月末時点で122位158万325人

「車のガリバー」 2013年5月時点で44位120万1644人

 

!予想に反して、消えたのはフォロワーが多いところばかりでした。 

 わずか3ヶ月あまりでこれだけ増えるのはすごいですが、その分かかる料金もかなり高額になっていそうです。 

 

さらに、2012年7月時点で始めていた企業・ブランド・タレントはどうなっているか見てみました。この頃は定番ブランド、アーティストのアカウントが中心だったため、アメイジングスパイダーマンのような期間限定アカウントが消えたくらいで、ほとんど残っているようです。

 

その他に消えたアカウントはたとえば、

レイトン教授と超文明Aの遺産

イカさま☆タコさま

にっぽんのミンイ

爆笑学園ナセバナ~ル!

イナズマイレブンGO

アサヒ飲料キャンペーン事務局

世界から猫が消えたなら

踊る大捜査線 THE FINAL

クリニーク

などがあります。

 

全体にフォロワーは簡単に獲得できる傾向にありますが、その分料金も高くなるため、あまりアカウントが細分化されすぎると継続が難しくなるのでしょう。或いは、最初からそのことが分かっているため、期間限定にしているのでしょうね。

もっと大きなくくりのブランド(番組ではなく「日テレ」など)やアーティストなどはアカウント継続しているところが多いようです。

 

古いところでは、mixiの公認コミュニティも数百万円からと高額だったので、期間限定で消えていくところが多かったですね。 mixiの公認コミュニティは最高で数万人程度、数千人もある世界だったので、LINEはCMに近い、かなり高い効果があると思います。

LINEは大きなくくりのブランドやアーティストが継続的に利用するか、番組やゲーム等の小さなくくりのものは短期間集中型で導入、終わったら速やかに撤退するというのがよさそうです。 

 

ところで東進ハイスクール明光義塾などはスタンプだけのトライアルだったのでしょうか。スタンプだけなら1000万円、10代に人気ですし、使ってもらえれば宣伝効果が見込めます。アカウントなしでスタンプだけというのもありかも…

 

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1302/26/news079.html