なるほど。Twitterについての謎がすっきりと解けました。
ツイッター混沌の歴史と知れば知るほど深まる謎:日経ビジネスオンライン
Facebookは、こちらで書いた通りザッカーバーグの思想に乗っ取って作られたものなので、軸がぶれません。
創業者はザッカーバーグただ1人なので、他人の考えに左右されることはなかったし、使われ方も単一でした。つまり、どこまで言っても実名で友達とつながるためのものです。
ところがTwitterは、創業者はたくさんいるし(エヴァン・ウィリアムズ、ジャック・ドーシー、ビズ・ストーン、ノア・グラス)、CEOはころころ変わる。
「Twitterは使い方が分からない」とはよく言われることですが、創業者がそれぞれ違う考えを持ってTwitterを運営していたためでした。元々、Facebookのようにはっきりと明確な単一の思想があったわけではなかったのです。
いわく、Bloggerを作ったウィリアムズはブログ的・メディア的嗜好を持ち、ジャックはステータス・アップデートであるべきと考えたと言います。(記事中でウィリアムズはGoogle的、ジャックはApple的と言われています)
実際、Twitterは連続ツイートでブログ的・メディア的使われ方もするし、「ご飯なう」などとステータス・アップデート的にも使われている。このどちらも許したところが今の「自由な」Twitterにつながったわけです。
これほど軸がぶれまくった自由なサービスは珍しい。それは、内部で創業者同士がそれぞれ違うことを考えていたためでした。
おまけに、誰1人大学をまともに卒業していないコミュ障ばかり…そんな彼らが作ったサービスが成り立っているというのは本当にすごいことです。
ハーバード大卒のエリートであるザッカーバーグのことは映画『ソーシャル・ネットワーク』でざっくりと分かります。Twitter創業者の1人である”パンク”ドーシーのことはこちらの記事で詳しく紹介されています。
TwitterとSquareの創業者、ジャック・ドーシーとは誰か? | THE NEW CLASSIC
私はかつてこういう連載を持ち、多くのベンチャー社長にインタビューを繰り返してきました。
INTERNET Watch 「ITベンチャー社長に聞く!」バックナンバー
その時に思ったのは、やはり創業者の思いが企業文化やサービスに色濃く反映されるものであること。その部分を聞くことで、多くの企業文化やサービスについて理解できるようになることは多いものです。
Twitterについて理解するには、やはり複雑すぎる複数の創業者による複数の考えを理解する必要があったのです。
Twitterはサービスとして赤字続きで危うかったものの、上場できました。そして、唯一無二のサービスとして使われ続けています。これはまさに奇跡。
この『Hatching Twitter』という本で詳細が読めるそうです。邦訳でしっかりと読んで理解を深めたいですね。
http://newclassic.jp/archives/4200